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全データ CSR活動報告アーカイブ | CSR(環境・社会) | 三井化学株式会社

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三井化学グループのCSR活動報告は、2010年度からWebサイトを「本体」として、網羅的かつ詳細な 内容をご報告しています。一方、冊子はWebサイトのポイントをまとめたダイジェスト版ではなく、 ステークホルダーの皆様へ特にお伝えしたい内容を中心に構成しています。2014年度もその方針を 継続して編集しています。

当社グループのCSR活動報告は、ステークホルダーの皆様との対話を図るために、CSRの3つの側面 (経済・環境・社会)のうち、主に環境および社会に関する当社グループの取り組みを紹介しています (経済側面は、アニュアルレポートをご覧ください)。

1

CSRマネジメント

三井化学グループのCSR、マネジメント体制

2

レスポンシブル・ケア

三井化学のレスポンシブル・ケア方針、RC推進体制、保安防災、 労働安全衛生、環境保全、化学物質マネジメント、品質、物流

3

社会とのコミュニケーション

人権の尊重、お客様とともに、取引先とともに、株主・投資家と ともに、従業員とともに、産学界とともに、地域社会とともに、 社会貢献活動、災害復興支援

4

社内外の声

『CSR活動報告2013』アンケート集計結果、『CSR活動報告 2014』への第三者意見

Webサイトでは、三井化学グループのCSR活動報告の「本体」と位置 付け、網羅的な内容を詳細にご報告しています。また、これまで同様 メリハリをつけ、見やすさ、アクセスの容易さなどに配慮して編集して います。冊子だけでなく、Webサイトにぜひアクセスいただき、当社 グループの様々なCSR活動についてご覧いただければ幸いです。

冊子(本冊子)は、Webサイトのダイジェスト版ではなく、三井化学グ ループの取り組みについて、とりわけ皆様にご覧いただきたい内容に 絞ってご報告しています。

2014年度は、事業を通じて社会課題の解決に貢献するという観点か ら、「健康・安心な長寿社会の実現」へ向けた貢献として、当社グルー プの歯科材料事業を中心にご紹介するとともに、事業活動を支える 「現場力」について、シンガポールの関係会社における取り組みをご

紹介しています。

表紙の詳細については、 裏表紙でご紹介していますのでご覧く

ださい。

WEB

サイト

http://jp.mitsuichem.com/csr

冊子

(3)

Mitsui Chemicals CSR Communication 2014 03

社名 三井化学株式会社

本社 〒105-7117 東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンター

代表取締役社長 淡輪 敏

資本金 125,053百万円

従業員 連結:14,271人(2014年3月31日現在)

国内製造拠点 鹿島工場、市原工場(茂原分工場を含む)、名古屋工場、大阪工場、 岩国大竹工場(徳山分工場を含む)、大牟田工場

研究所 袖ケ浦センター

国内販売拠点 本社、支店(名古屋、大阪、福岡)

海外事務所 北京

関係会社 連結子会社 国内:37社 海外:71社 持分法適用会社 国内:15社 海外:17社

10,000

5,000 15,000

0

(億円)

14,540 14,062 15,660 13,917

13 (年度)

11

10 12

(年度)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

(億円) (%)

(年度)

(年度)

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

(年度) (%) (億円)

■海外売上高   海外売上高比率

(人)

■売上高

■総資産 ■純資産  自己資本比率

(億円)

(年度)

-10 216 229

13(年度)

11

10 12

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

0 250 500 -500 -250 4392 249 225 -81 -251 405 389 249

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

(億円) (%)

(年度)

(年度)

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

(年度) (%) (億円)

■海外売上高   海外売上高比率

(年度) (人)

■売上高

■総資産 ■純資産  自己資本比率 (億円)

(年度)

(年度)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

29.3 28.2 29.6

4,096

0

(億円)

15,000 10,000 5,000 0 10 20 30 (%)

(年度)

11 12 13 10

(年度)

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

(年度) (%) (億円)

■海外売上高   海外売上高比率

(年度) (人)

■売上高

24.6

4,311 4,158 4,289 12,956 12,563 13,380

14,322

■総資産 ■純資産  自己資本比率

(億円)

(年度)

(年度)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

(億円) (%)

(年度)

13 (年度)

11

10 12

0 (億円)

1,000 800 600 400 200

■研究開発費 ■設備投資額

(年度) (%) (億円)

■海外売上高   海外売上高比率

(年度) (人)

■売上高

320 566

336 1,132

362451 332448

■総資産 ■純資産  自己資本比率 (億円)

(年度)

(年度)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

(億円) (%)

(年度)

(年度)

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

6,063 6,087 6,981 5,855

13 (年度)

11

10 12

42.1 41.7 43.3 44.6 30 35 40 45 (%) 0

(億円)

■海外売上高   海外売上高比率

2,000 4,000 6,000

(年度) (人)

■売上高

■総資産 ■純資産  自己資本比率

(億円)

(年度)

(年度)

■営業利益 ■経常利益  当期純利益 (億円)

■営業利益・経常利益・当期純利益

■総資産・純資産・自己資本比率

■研究開発費・設備投資額

■海外売上高・海外売上高比率

■海外連結子会社の社員数

(億円) (%)

(年度)

(年度)

(億円)

■研究開発費 ■設備投資額

(年度) (%) (億円)

■海外売上高   海外売上高比率

2,894 3,071 3,320

4,781

13 (年度)

11

10 12

0

(人)

4,000

3,000

2,000

1,000

■売上高

■総資産 ■純資産  自己資本比率

三井化学グループの概要

04

トップメッセージ

06

三井化学グループのCSR活動 事業活動を通じて、

社会課題の解決に貢献します

08

三井化学グループのCSR活動 環境・社会の持続可能な 発展に貢献する

三井化学グループの主な製品

10

特集1 健康・安心な

長寿社会の実現〈ヘルスケア〉

健康・安心な

長寿社会の実現に向けて

14

特集2 地域と調和した

産業基盤の実現〈基盤素材〉

「現場力」で

産業基盤を支える

18

三井化学グループ CSRトピックス2013

CSR Communication 2014

(4)

寿社会の実現”および“地域と調和した産業基盤の実現”

を掲げ、経済軸と環境軸・社会軸が結びついた社会課題

解決への取り組みにより、社会と当社グループの持続的成

長・発展を目指していく姿勢を改めて明確にいたしました。

 これら社会課題解決に向けたマーケットイン型の事業

戦略を志向し、成長のターゲット領域として、自動車材料

を中心とした「モビリティ」、メガネレンズモノマー、歯科材

料、不織布などの「ヘルスケア」、食品包材、農薬などの

「フード&パッケージング」の3領域を定め、持続的成長を

可能とする事業ポートフォリオの変革を目指すことといたし

ました。また、石化・基礎化学品を中心とした汎用化学品

は、社会・産業を支える「基盤素材」領域として、堅実な

事業展開を図っていきます。

 2012年に発生した、岩国大竹工場レゾルシン製造装

置の爆発事故を忘れてはならない教訓として、

「安全は

全てに優先する」、

「二度と悲惨な事故を起こさない」こ

とを全社員で誓い、徹底した安全対策を実施しておりま

す。事故のあった4月22日を全社「安全の日」と定め、事

故の記憶を風化させず、社員一人ひとりが思いを新たに、

「安全のために自分は何をすべきか」を振り返る機会とし

ております。

 今後もお客様や地域の皆様に対する社会的責任を果

たすため、抜本的安全対策の継続と安全文化のさらなる

醸成に努めてまいります。

 2013年度は2011中期経営計画の最終年度として、

(1)重点2分野(高機能製品、高付加価値ポリマー)の

拡大、

(2)大型市況製品の再構築に注力してまいりまし

た。重点2分野では、メガネレンズ材料、歯科材料、高機

能不織布などの高機能製品や自動車向けのポリプロピレ

ン(PP)コンパウンド、エラストマーなどの高付加価値ポリ

マーの機能製品事業が順調に拡大いたしました。世界

的な高齢化やますます高まる健康・安心へのニーズに対

応するため、独ヘレウス社の歯科材料部門を買収するな

ど、景気変動の影響を受け難い事業ポートフォリオ変革に

向けた諸施策を実施しています。

 一方、フェノール、ウレタン、高純度テレフタル酸など大

型市況製品につきましては、アジア需給の悪化など厳しい

事業環境が継続する中、抜本的構造改革が不可欠と判

断し、プラント停止や工場の閉鎖を含めた事業再構築策

を決定いたしました。

 三井化学グループは、2014年度を初年度とし、

「新た

な顧客価値の創造」をテーマとする新中期経営計画をス

タートしました。新中期経営計画においては、

「事業活動

を通じた社会貢献」を目指す企業グループ理念に基づき、

2020年近傍を見据えた当社グループの将来像を策定しま

した。具体的には、当社グループが貢献すべき社会課題と

して、

“環境と調和した共生社会の実現”、

“健康・安心な長

多様化する社会からの

期待に応えて持続的に

成長できる企業を目指します

2013年度を振り返って

2014中期経営計画

(5)

 当社グループは、2005年にCSR専門部署を設置して以

来、経済・環境・社会の3軸のバランスのとれた成長を目指

し、様々な取り組みを進めてまいりました。

 近年、CSRを取り巻く環境は大きく変わり、ISO26000や

GRIなどの国際的な指針、統合報告などのグローバルな

考え方など、CSRの取り組みに新しい視点が求められるよ

うになってきました。

 今般、新中期経営計画策定にあたり、企業グループ理

念である「事業活動を通じた社会貢献」が当社グループ

の存在意義であり、CSRのあり方、方向性であることを再

確認いたしました。

 同時に、ガバナンスの強化、ダイバーシティの推進など

の経営基盤強化が、グローバルな事業展開においてさら

に重要になると認識しています。

 社会からの要請や期待は日々変化し、多様化していき

ます。当社グループは、そうした変化に常に敏感であり、

社会とともに持続的に成長していく企業でありたいと考え

ています。

 これからも、ステークホルダーの皆様からの様々な期待

に応えて、新たな顧客価値の創造を目指してまいります。

三井化学株式会社 代表取締役社長

(6)

三井化学は、2005年にCSR専門部署を設置して以来、様々な 取り組みを行ってきました。

2007年からは3軸経営を標榜し、CSR活動が、経済、環境、社 会の3軸としてバランスのとれた形で実施されていくことが 重要と考え取り組みを進めてきました。

また、2008年には国連グローバルコンパクトへ署名したほ か、MDG’s、ISO26000、GRIなど国際的なガイダンスから

の要請への対応にも努めています。

さらに、2014年は「2014中期経営計画」策定時期であった ことから、中期経営計画策定の中で当社のCSRのあり方、 方向性について改めて議論の上確認しました。そして、事業 活動を通じて、社会課題の解決に貢献することを明確にし ました。

各ステークホルダーが期待している様々な社会課題解決に向け て、事業活動を通じて貢献することが、企業グループ理念に基づく 当社グループの存在意義であると考えます(事業活動を通じた社 会課題解決)。経済軸と環境軸・社会軸が結びついた社会課題解決 への取り組みにより、当社グループは社会とともに持続的に成長・ 発展し「グローバルに存在感のある企業グループ」を目指すことが できると考えています。

貢献すべき社会課題と目指すべき事業ポートフォリオ

三井化学グループの存在意義

事業

活動を

通じて

社会課題

解決

貢献

します

気候変動対応(GHG削減)低環境負荷なライフスタイル3R(循環型社会)、節資源生態系保護(化学物質管理)再生可能エネルギーの開発都市化、スマートシティ化

●少子高齢化

●生活の質(QOL)向上 ●医療・医薬の高度化

食糧ロス・廃棄食糧増産

産業素材の安定供給 ● 化学産業の国内生産維持

地域と調和した産業基盤の実現

健康・安心な長寿社会の実現

環境と調和した共生社会の実現

特集 特集

CSRと中期経営計画との連動

2014中期経営計画策定過程において 当社グループの今後のCSRのあり方、 方向性を議論し、事業を通じて社会課 題の解決へ貢献することが重要であ るとの考えをいっそう明確にしまし た。今後も中期経営計画と連動しなが らCSRの取り組みを進めていきます。

■ 大型市況製品の再構築の確実な実行により収益力の回復を図る。 ■ 2011中期経営計画で具体化、実行した成長投資を確実に収益拡

大へつなげる。

■ ポートフォリオ変革に向け、経営資源をモビリティ、ヘルスケアお

よびフード&パッケージング領域に集中する。

■ 新事業・新製品創出を加速する。

■ 財務体質の改善、強化を図る。

業績目標 方 針

2016年度

連結営業利益:600億円

連結純利益:300億円

2020年近傍

連結営業利益:1,000億円

連結純利益:500億円 CSRの実現へ向けて

貢献度の「見える化」 CSRマネジメント

当社グループの事業を通じた社会課題解決に貢献していくには、貢献 内容が具体的にわかりやすく、見えやすいものであることが重要であ ると考えています。当社は製品のライフサイクルを通じた社会・環境へ の貢献度を「見える化」するためにm-SI(mitsui Sustainability Index)を制定しました。これは、GHG削減や環境汚染防止など11項 目の環境影響を評価するための「ものさし」で、これにより、貢献度が見 えやすくなり、さらなる貢献に向けての道筋が明確になってきました。 当社は、原則として年2回開催されるCSR委員会(委員長:社長)にお

いて、当社グループのCSRに関する方針、計画、さらにCSR重点課題 を審議、決定しています。

2010年度からは、これまで以上に当社グループの事業を通じた積極 的な取り組みにシフトするために、すべての事業部門責任者(取締役 および本部長)を加えて具体的な議論に努めています。

人類福祉の増進 株主への貢献

顧客満足の増大 地域社会への貢献

従業員の幸福と 自己実現

地球規模で期待されている社会課題の解決

配当/株価上昇=事業拡大、収益向上

高品質の製品・サービス提供

安全・環境、地域雇用、納税、地域活動

雇用、給与水準向上、能力/ 働きがい向上、ワークライフバランス

地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と

創出を通して高品質の製品とサービスを

顧客に提供し、もって広く社会に貢献する。

企業グループ理念

絶えず革新による成長を追求し、

グローバルに存在感のある企業グループ

目指すべき企業グループ像

社会貢献5項目 社会貢献の具体的意義

経済

社会

環境

三井化学グループが

貢献すべき社会課題

社会課題解決に貢献する

三井化学グループの事業ポートフォリオ

三井化学グループのCSR活動

事業活動を通じた

社会課題解決

社会と当社グループの持続的発展

当社は、経営ビジョンならびにメガトレンドや社会ニーズなど の経営環境から、事業活動を通じて貢献すべき社会課題として 下記の3つを抽出しました。

そして、貢献すべき社会課題と当社の強い基盤から、目指すべ き事業ポートフォリオを設定することで、これまで以上に事業

活動を通じた社会課題の解決に貢献していきます。

また、企業存立の前提、基盤となる「安全」「法令遵守」「リスクマ ネジメント」「社会活動」などの活動は、当社グループの信頼を 維持向上させる取り組みであり、これらについては従来どおり 着実に実施していきます。

基盤素材

石化・基礎化学品を中心とした 汎用化学品で社会・産業を支える

将来の収益の柱として成長が 期待できる分野

モビリティ

(7)

三井化学は、2005年にCSR専門部署を設置して以来、様々な 取り組みを行ってきました。

2007年からは3軸経営を標榜し、CSR活動が、経済、環境、社 会の3軸としてバランスのとれた形で実施されていくことが 重要と考え取り組みを進めてきました。

また、2008年には国連グローバルコンパクトへ署名したほ か、MDG’s、ISO26000、GRIなど国際的なガイダンスから

の要請への対応にも努めています。

さらに、2014年は「2014中期経営計画」策定時期であった ことから、中期経営計画策定の中で当社のCSRのあり方、 方向性について改めて議論の上確認しました。そして、事業 活動を通じて、社会課題の解決に貢献することを明確にし ました。

各ステークホルダーが期待している様々な社会課題解決に向け て、事業活動を通じて貢献することが、企業グループ理念に基づく 当社グループの存在意義であると考えます(事業活動を通じた社 会課題解決)。経済軸と環境軸・社会軸が結びついた社会課題解決 への取り組みにより、当社グループは社会とともに持続的に成長・ 発展し「グローバルに存在感のある企業グループ」を目指すことが できると考えています。

貢献すべき社会課題と目指すべき事業ポートフォリオ

三井化学グループの存在意義

事業

活動を

通じて

社会課題

解決

貢献

します

気候変動対応(GHG削減)低環境負荷なライフスタイル3R(循環型社会)、節資源生態系保護(化学物質管理)再生可能エネルギーの開発都市化、スマートシティ化

●少子高齢化

●生活の質(QOL)向上 ●医療・医薬の高度化

食糧ロス・廃棄食糧増産

産業素材の安定供給 ● 化学産業の国内生産維持

地域と調和した産業基盤の実現

健康・安心な長寿社会の実現

環境と調和した共生社会の実現

特集

2

P.14 特集

1

P.10

CSRと中期経営計画との連動

2014中期経営計画策定過程において 当社グループの今後のCSRのあり方、 方向性を議論し、事業を通じて社会課 題の解決へ貢献することが重要であ るとの考えをいっそう明確にしまし た。今後も中期経営計画と連動しなが らCSRの取り組みを進めていきます。

■ 大型市況製品の再構築の確実な実行により収益力の回復を図る。 ■ 2011中期経営計画で具体化、実行した成長投資を確実に収益拡

大へつなげる。

■ ポートフォリオ変革に向け、経営資源をモビリティ、ヘルスケアお

よびフード&パッケージング領域に集中する。

■ 新事業・新製品創出を加速する。

■ 財務体質の改善、強化を図る。

業績目標 方 針

2016年度

連結営業利益:600億円

連結純利益:300億円

2020年近傍

連結営業利益:1,000億円

連結純利益:500億円 CSRの実現へ向けて

貢献度の「見える化」 CSRマネジメント

当社グループの事業を通じた社会課題解決に貢献していくには、貢献 内容が具体的にわかりやすく、見えやすいものであることが重要であ ると考えています。当社は製品のライフサイクルを通じた社会・環境へ の貢献度を「見える化」するためにm-SI(mitsui Sustainability Index)を制定しました。これは、GHG削減や環境汚染防止など11項 目の環境影響を評価するための「ものさし」で、これにより、貢献度が見 えやすくなり、さらなる貢献に向けての道筋が明確になってきました。 当社は、原則として年2回開催されるCSR委員会(委員長:社長)にお

いて、当社グループのCSRに関する方針、計画、さらにCSR重点課題 を審議、決定しています。

2010年度からは、これまで以上に当社グループの事業を通じた積極 的な取り組みにシフトするために、すべての事業部門責任者(取締役 および本部長)を加えて具体的な議論に努めています。

人類福祉の増進 株主への貢献

顧客満足の増大 地域社会への貢献

従業員の幸福と 自己実現

地球規模で期待されている社会課題の解決

配当/株価上昇=事業拡大、収益向上

高品質の製品・サービス提供

安全・環境、地域雇用、納税、地域活動

雇用、給与水準向上、能力/ 働きがい向上、ワークライフバランス

地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と

創出を通して高品質の製品とサービスを

顧客に提供し、もって広く社会に貢献する。

企業グループ理念

絶えず革新による成長を追求し、

グローバルに存在感のある企業グループ

目指すべき企業グループ像

社会貢献5項目 社会貢献の具体的意義

経済

社会

環境

三井化学グループが

貢献すべき社会課題

社会課題解決に貢献する

三井化学グループの事業ポートフォリオ

三井化学グループのCSR活動

事業活動を通じた

社会課題解決

社会と当社グループの持続的発展

当社は、経営ビジョンならびにメガトレンドや社会ニーズなど の経営環境から、事業活動を通じて貢献すべき社会課題として 下記の3つを抽出しました。

そして、貢献すべき社会課題と当社の強い基盤から、目指すべ き事業ポートフォリオを設定することで、これまで以上に事業

活動を通じた社会課題の解決に貢献していきます。

また、企業存立の前提、基盤となる「安全」「法令遵守」「リスクマ ネジメント」「社会活動」などの活動は、当社グループの信頼を 維持向上させる取り組みであり、これらについては従来どおり 着実に実施していきます。

基盤素材

石化・基礎化学品を中心とした 汎用化学品で社会・産業を支える

将来の収益の柱として成長が 期待できる分野

モビリティ

(8)

【再生可能エネルギー】

● ソーラーエバTM

排気ガス(窒素酸化物)除去に役立つ原料

アドブルー

【低環境負荷なライフスタイル】● ケミパールⓇ

(電極用バインダー)

リチウムイオン電池の材料

● ミレットⓇ (電解液)

● ノティオⓇSN

すぐれたシール性と高強度を持 ち、快適な生活に貢献する原料

● エボリューⓇ

TPX

環境と調和した共生社会の

実現に貢献する製品

【食糧増産】

通常より多収穫かつ収穫時期の 遅いハイブリッドライス

みつひかり2003、2005

●アニキⓇ

フルーツセイバー

iCASTTM 

●カッパーストッパーⓇ

抗菌・消臭機能を備えたフィルム

【生活の質(QOL)向上】

通気性にすぐれた紙おむつの原料

シンテックス(不織布) ●エスポアールⓇ(通気性フィルム) 【3R(循環型社会)】

● エコニコールⓇ (バイオマス化学品)

「社会とともに持続的に成長・発展する企業グループ」 を目指して、三井化学グループの事業ポートフォリオ (モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、

基盤素材)と一致した社会課題の解決に貢献する製品 をご紹介します。

三井化学の事業

フェノール、高純度テレフタル酸、ペット樹脂などを製造・販売 しています。(エンジニアリングプラスチック、ポリエステル繊 維、飲料用ペットボトルの原料など)

基礎化学品事業

石油化学原料およびポリエチレン、ポリプロピレンを主に製 造・販売しています。(自動車、食品包装など暮らしに役立つ 様々な製品の原料など)

石化事業

多様な産業を支えるフィルムやシートを開発・販売していま す。(食品、日用品から電子、環境エネルギーなどのフィルムや シート)

フィルム・シート事業

ポリウレタン材料およびコーティング・機能材分野の製品の開 発・製造・販売をしています。(植物由来材料からのウレタンや 各種塗料原料など)

ウレタン事業

「エラストマー」「機能性コンパウンド」「機能性ポリマー」など の製品を開発・製造・販売しています。(自動車軽量化を実現す る製品、環境調和型製品など)

機能樹脂事業

当社グループの精密合成技術、バイオ法技術により世界最高 レベルの“機能”を有する化学品を提供しています。(メガネレ ンズ材料、農業化学品、触媒など)

機能化学品事業

【少子・高齢化】

スーパーボンド

視覚障害者誘導用樹脂プレート

DL-セリン(パーキンソン病薬) ●D-セリン(抗結核薬、てんかん薬) 【食品ロス・廃棄】

●スパッシュⓇ

【生態系保護】

● ノンロットⓇ

【産業基盤】

自動車のヘッドランプのレンズや、家電やスマートフォンなどの原料

ポリカーボネート樹脂

三井PET

食品・洗剤・化粧品・

医薬品容器の原料 食品・洗剤・化粧品・医薬品容器の原料

プライムポリプロ

● ミラストマーⓇ

● アドマーⓇ

【気候変動対応(GHG削減)】

健康・安心な長寿社会の

実現に貢献する製品

地域と調和した産業基盤の

実現に貢献する製品

環境・社会

持続可能

発展

貢献

する

三井化学グループ

製品

三井化学グループのCSR活動

汚れが付きにくく、すぐ落ちる ため、水の使用量削減につな がる樹脂

生鮮食品の鮮度をより長く保持す るほか、野菜・果物・花きのしおれや 変色を抑えることができるフィルム

●アクリルアマイド

水の浄化に役立つ原料。水に様々な 状態で混ざりあっている物質を水か ら分離させる薬剤用原料で、より早く 効率的に凝集させる

高純度テレフタル酸

(PTA)

ポリエステル繊維の 原料

太陽光発電の電池セルを保護する フィルム

植物由来原料を使用した樹脂(自動 車、家具、寝具のシートクッションなど)

木の香りと木目を残し、木材を長持ち させる高機能塗料

● タフネルⓇオイルブロッター

抜群の油吸着力と強度を持ち、素早 い油の回収が可能なシート 自動車の軽量化に役立つ樹脂(ガソリ

ンタンク)

● タフマーⓇ

自動車の軽量化に役立つ樹脂(バン パー)

● 金属・樹脂一体成型部材

プラスチックの成型時に金属と一体 化することで、軽量化に役立つ 自動車の軽量化に役立つ樹脂(ドアト リム、インパネなど自動車の内装材)

軽くて耐久性にすぐれた合皮レザー用原材料

水や肥料の使用量を低減し、効率的 な農業を実現するシステム

バリアフリー法に対応した、柔軟性が あり耐久性が高く視認しやすいシート

多様な医療ニーズを支える医薬原料 高い接着性と生体適合性を持つ歯科 用接着材

環境にやさしい安全性 の高い農薬

【医療・医薬の高度化】 ●MRTMシリーズ

(9)

【再生可能エネルギー】

●ソーラーエバTM

排気ガス(窒素酸化物)除去に役立つ原料

アドブルー

【低環境負荷なライフスタイル】●ケミパールⓇ (電極用バインダー)

リチウムイオン電池の材料

●ミレットⓇ (電解液)

●ノティオⓇSN

すぐれたシール性と高強度を持 ち、快適な生活に貢献する原料

●エボリューⓇ

TPX

環境と調和した共生社会の

実現に貢献する製品

【食糧増産】

通常より多収穫かつ収穫時期の 遅いハイブリッドライス ●みつひかり2003、2005

●アニキⓇ

フルーツセイバー

iCASTTM 

●カッパーストッパーⓇ

抗菌・消臭機能を備えたフィルム

【生活の質(QOL)向上】

通気性にすぐれた紙おむつの原料 ●シンテックス(不織布)

●エスポアールⓇ(通気性フィルム) 【3R(循環型社会)】

●エコニコールⓇ (バイオマス化学品) 「社会とともに持続的に成長・発展する企業グループ」

を目指して、三井化学グループの事業ポートフォリオ (モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、

基盤素材)と一致した社会課題の解決に貢献する製品 をご紹介します。

三井化学の事業

フェノール、高純度テレフタル酸、ペット樹脂などを製造・販売 しています。(エンジニアリングプラスチック、ポリエステル繊 維、飲料用ペットボトルの原料など)

基礎化学品事業

石油化学原料およびポリエチレン、ポリプロピレンを主に製 造・販売しています。(自動車、食品包装など暮らしに役立つ 様々な製品の原料など)

石化事業

多様な産業を支えるフィルムやシートを開発・販売していま す。(食品、日用品から電子、環境エネルギーなどのフィルムや シート)

フィルム・シート事業

ポリウレタン材料およびコーティング・機能材分野の製品の開 発・製造・販売をしています。(植物由来材料からのウレタンや 各種塗料原料など)

ウレタン事業

「エラストマー」「機能性コンパウンド」「機能性ポリマー」など の製品を開発・製造・販売しています。(自動車軽量化を実現す る製品、環境調和型製品など)

機能樹脂事業

当社グループの精密合成技術、バイオ法技術により世界最高 レベルの“機能”を有する化学品を提供しています。(メガネレ ンズ材料、農業化学品、触媒など)

機能化学品事業

【少子・高齢化】

スーパーボンド

視覚障害者誘導用樹脂プレート

DL-セリン(パーキンソン病薬) ●D-セリン(抗結核薬、てんかん薬)

【食品ロス・廃棄】

●スパッシュⓇ

【生態系保護】

●ノンロットⓇ

【産業基盤】

自動車のヘッドランプのレンズや、家電やスマートフォンなどの原料

ポリカーボネート樹脂

三井PET

食品・洗剤・化粧品・

医薬品容器の原料 食品・洗剤・化粧品・医薬品容器の原料

プライムポリプロ

●ミラストマーⓇ

●アドマーⓇ

【気候変動対応(GHG削減)】

健康・安全な長寿社会の

実現に貢献する製品

地域と調和した産業基盤の

実現に貢献する製品

環境・社会の持続可能な発展に貢献する

三井化学グループの主な製品

三井化学グループのCSR活動

汚れが付きにくく、すぐ落ちる ため、水の使用量削減につな がる樹脂

生鮮食品の鮮度をより長く保持す るほか、野菜・果物・花きのしおれや 変色を抑えることができるフィルム

●アクリルアマイド

水の浄化に役立つ原料。水に様々な 状態で混ざりあっている物質を水か ら分離させる薬剤用原料で、より早く 効率的に凝集させる

高純度テレフタル酸

(PTA) ポリエステル繊維の 原料

太陽光発電の電池セルを保護する フィルム

植物由来原料を使用した樹脂(自動 車、家具、寝具のシートクッションなど)

木の香りと木目を残し、木材を長持ち させる高機能塗料

●タフネルⓇオイルブロッター

抜群の油吸着力と強度を持ち、素早 い油の回収が可能なシート 自動車の軽量化に役立つ樹脂(ガソリ

ンタンク)

●タフマーⓇ

自動車の軽量化に役立つ樹脂(バン パー)

●金属・樹脂一体成型部材

プラスチックの成型時に金属と一体 化することで、軽量化に役立つ 自動車の軽量化に役立つ樹脂(ドアト リム、インパネなど自動車の内装材)

軽くて耐久性にすぐれた合皮レザー用原材料

水や肥料の使用量を低減し、効率的 な農業を実現するシステム

バリアフリー法に対応した、柔軟性が あり耐久性が高く視認しやすいシート

多様な医療ニーズを支える医薬原料 高い接着性と生体適合性を持つ歯科 用接着材

環境にやさしい安全性 の高い農薬

【医療・医薬の高度化】

MRTMシリーズ

(10)

歯科用接着材「スーパーボンドⓇ

よりよい製品づくりのため、営業、開発など 各担当者間で打ち合わせを活発に行っている。

人工歯を使って「スーパーボンドⓇ」を試用している様子

特集

1

健康・安心

長寿社会

実現

に向けて

厚生労働省は今、「健康日本21」と呼ばれる健康戦略に 取り組んでいます。生活習慣病や、その原因となる生活 習慣について9分野を指定して目標や対策を策定。「歯 の健康」もそのひとつで、80歳で自分の歯を20本保つこ とを目標に、虫歯予防、歯周病予防に取り組んでいます。 50歳以降では、2年に1本の歯を喪失しており、健康で元 気な老後を過ごすための基本として口腔の健康増進が課 題になっています。

三井化学はファインケミカル(精密化学品)の一環として 医療分野、特に歯科材料分野での事業に取り組んでき ました。歯科材料には、素材としての生体安全性や機能 としての長期安定性などが求められます。三井化学がこ れまで培ってきた精密化学品の技術と、生体安全性と長 期安定性を備えた歯科用接着材「スーパーボンドⓇ」を製 造・販売しているサンメディカル社の事業を通じて、生活 の質の向上に貢献しています。

社会課題

歯科材料領域での貢献

 世界的な長寿命化・高齢化が進み、ますます健康 で快適な生活が求められています。そうした中、三 井化学グループは2014中期経営計画において、「健 康・安心な長寿社会の実現」を貢献すべき社会課題 のひとつと位置付け、ヘルスケア事業のさらなる拡 大に向けた攻めの展開を図っています。

 なかでも歯科材料については、国内グループ企業 のサンメディカル社において、30年以上にわたり歯 科材料事業を手掛けています。また、2009年には 歯科器材の国際的企業である株式会社松風との業 務・資本提携などにより、国内を中心に一定の市場 地位を築いてきました。

(11)

サンメディカル社 社長

鎌田 一則

サンメディカル社

所 在 地: 滋賀県守山市古高町571-2 設 立 : 1981年2月21日

事業内容: 歯科材料その他医療用具の製造、販売 および輸出入

サンメディカル社 国内営業部 課長代理

宮田 道人

スタディー・グループの勉強会風景  少子高齢化の進行と生活の質の向上、

そして医療や医薬の高度化は複雑に絡 み合う社会課題です。特に、「歯」の保持 は、健康生活の基本となるものである と同時に、ほかの社会課題を解消して いくための糸口となります。

 口の中の酸によって起きる虫歯。進 行すると、歯の内部の象牙質まで侵さ れ、歯痛を起こします。治療では、歯質 が脱灰した欠損部分を削るなどし、そ こに金属や樹脂の詰め物をして歯を維 持します。その際、詰め物と歯を接着す るのが「レジンセメント」と呼ばれる接 着材です。レジンとは樹脂のこと。国 内には約6万8千の歯科医院があります が、その6割で使われているレジンセメ ントのトップブランドが、サンメディカ ル社の「スーパーボンドⓇ」です。  鎌田一則社長は、「スーパーボンドⓇ 日本中の歯医者さんで使われている最 大の理由は、ほかに例を見ない安全性

と安定性にあります」と紹介します。  「接着材は、詰め物という人工物と歯 という生体物質を接着するわけですが、 スーパーボンドⓇが固まった後には生体 が拒絶反応を起こす物質がひとつも含 まれておらず、かつ20年以上もの安定し た接着力の実績があります。これが、患者 さんが安心できる治療を施したいという 歯医者さんの願いと合致しているのです」。  長期の安定した接着の秘密は、樹脂 を固める触媒にあります。一般的な接 着材では、歯にわずかに残る水分が邪 魔をして歯との接触面にすき間が生 まれます。しかしスーパーボンドⓇは、 「TBB」という水分に反応して固まる触

媒を採用しているので、すき間ができ ず、強い接着力を実現します。

 「スーパーボンドⓇ」は、東京医科歯 科大学と三井石油化学工業(現三井化 学)の共同研究によって開発されました。 1981年には、京都市の歯科材料専業 メーカーである株式会社ニッシンとの合 弁でサンメディカル社が設立され、革新 的な接着材の普及が始まります。来たる べき長寿社会を見越し、「ファインケミカ ル(精密化学品)」と呼ばれる製品を普及 させるための先駆けとなる会社でした。  サンメディカル社はその後、スーパー ボンドⓇの応用製品や治療用器具など を相次いで製品化。現在も、原材料は 三井化学が供給し、サンメディカル社 は研究・製造・販売・学術という一貫し た体制を整えています。

 「サンメディカル社は、社員数が120 人ほどの小さな会社ですが、8人の学術 調査チームを擁し、接着歯学の最前線 の研究成果を基に改良を重ねる活動を 続けています」(鎌田社長)。

 スーパーボンドⓇは、販売代理店の営 業担当者を通して歯医者さんに届けら れています。その数は国内で約6,000 人。そのために、代理店担当者への教 育・啓発活動が、スーパーボンドⓇを安 全・安心に患者さんに届ける重要なポ イントになります。

 宮田道人・国内営業部 課長代理は、 「正確でわかりやすい資料を作成して

代理店担当者との面談の機会を増やし、 理解を深めてもらっています。歯医者 さんには、スタディー・グループなどで の勉強会で、私たちが直接説明したり、 製品の実習をしていただけるようにし ています」と語ります。

 こうした機会を通じて、歯医者さん から応用利用のアイデアが提供される ことも珍しくありません。「スーパーボ ンドⓇの強い接着力と生体への安全性 を活かし、よりデリケートな軟組織に 活用すれば、患者さんの負担も減らせ るといった提案が、先生たち自身から なされてきました」(宮田課長代理)。

技術革新の頂点に立つ

歯科用接着材

「スーパーボンド

安全・安心の製品を届ける

歯医者さんからの

応用利用提案も

(12)

サンメディカル社 学術部長

曾 維平

「スーパーボンドⓇ・モノマー液」の充填作業の様子

「スーパーボンドⓇセット」の包装作業の様子

サンメディカル社 研究部

応用開発3グループ マネージャー

土川 益司

 スーパーボンドⓇは、海外でも支持を 広げ始めています。すでに米国、欧州、 韓国、台湾で広く知られていますが、中 国、その他のアジア地域では、これまで 経済レベルの関係であまり高価なスー パーボンドⓇを受け入れる素地があり ませんでした。しかし、近年の急激な 経済発展により、中国ならびにその他 の国にもスーパーボンドⓇを受け入れ る環境ができつつあります。中国への 販売は、現地代理店を通じて1998年か ら始まりましたが、2012年にはマーケ ティング部隊を設け、本格的な普及活 動を始めています。

 中国では、かつては歯科医院は公立 しかありませんでした。しかし、10年 ほど前から民営の歯科医院が開業でき るようになり、特に北京や上海、広州な どの沿海発展都市を中心に民営の歯科 医院の発展が目覚ましく、地域によって は公立病院と互角なところもあります。

例えば、人口約2,400万人の上海には 約1,000の民営歯科医院があります。  「地道な学術営業(技術サポートを ベースとしたマーケティング)によ り、技術がある熱心な歯医者さんほ ど、スーパーボンドⓇの性能と安全性 を高く評価してくれています。なぜな らスーパーボンドⓇは、彼らの治療レベ ル・医院の価値を高める歯科材料にな ると理解したからです」と語るのは、曾 維平学術部長です。

 また、学術営業の一環として、歯医 者のたまごである歯科大学生にもスー パーボンドⓇのよさを理解してもらう ために、中国の有力大学の歯学部と良 好な関係を構築し、教材にスーパーボ ンドⓇを用いた治療法を紹介してくれ るよう大学や教員に働きかけています。  「スーパーボンドⓇは、中国では決し て安い製品ではありません。現在は、 沿海の経済発展地域に注力しています が、販売ネットワークをつくり、地道な 学術営業を通じて経済格差のある内陸 部にも普及していきたいと考えていま す」(曾学術部長)。

 サンメディカル社では、スーパーボ ンドⓇの革新性を応用することで、接着 充填材、根管充填材、コンポジットレジ ン(穴を埋める材料)、知覚過敏抑制材、 硬質レジン(歯の表面を覆う材料)など を開発してきました。そしてスーパー ボンドⓇ自身も、誕生から30数年を経 てもなお進化を続けています。  例えば、操作性や器具の改良があり ます。筆を使って塗布する筆積法だけ でなく、より広い範囲に塗布できる混 和法もセットで利用できるようにした り、混和法に特化した粉材も開発して

います。また海外では、繊細な動きが 求められる液粉は使いにくいとされる ので、マイクロシリンジと呼ばれる注 射器のような道具を開発しています。  土川益司・研究部 応用開発3グルー プマネージャーは、「より使いやすい性 能の実現は、歯科医の信頼をさらに深 めます」と語ります。

 例えば、硬質レジンでは、すぐれた耐 久性や操作性を備え、多様な歯の色に 合う多色を揃えた製品を、2007年に開 発しました。

 「セラミック並みの耐久性や変色防 止性、色表現力を備えた硬質レジンを 樹脂で実現するために、5年から10年 先を見越した研究を三井化学グループ と協働しながら取り組んでいます」(土 川マネージャー)。

 元気な老後を過ごすためには、若い ときからの歯の健康維持が不可欠です。 それを、三井化学グループの精密化学 技術が支えています。

海外拡大加速、

中国・アジア新興国での

普及を本格化

(13)

安田 登

氏(歯学博士) 歯科医院「キャビネ・ダンテール御茶ノ水」院長

NPO法人「歯と口の健康を守ろう会」理事長

Martin Haase

HK社 社長

 子どもの虫歯は、ここ10年で大幅に減少しまし たが、一方で、高齢者の口腔衛生状態は未だ十分 とはいえません。口腔内の清潔度と全身的疾患に は深い関連性があり、また、残存歯が多いと咀嚼 の刺激で認知症の予防にも効果的といわれていま す。したがって、今後は高齢者に対する歯科医療 に力を注ぐ必要があります。

 サンメディカル社のスーパーボンドⓇは、歯科

三井化学は2013年4月、ドイツのHeraeus Holding社から同社の歯科材料 事業子会社であるHeraeus Kullzer社(以下HK社)を買収しました。また同 年6月にはCAD/CAMシステムと3Dプリンターを用いた入れ歯の開発・製 造・販売会社である米国DENTCA社の株式を取得し、歯科材料事業をコア事 業として拡大・成長させていくためのグローバルな事業基盤を獲得しました。 外部関係者メッセージ

高齢者の歯科医療へのさらなる貢献を期待

医療で求められる生体安全性はもとより、口腔内 の湿潤に耐え、常温で、しかも短時間で接着を完 了させるという特殊な要求に応えるすぐれた製品 です。製品開発では常に、世界に通用する最高品 質を求めています。今後は、その性能を保ちなが ら簡便に取り扱える製品の開発を期待しています。

HK社 DENTCA社

HK社、DENTCA社を傘下に、歯科材料事業のグローバル基盤を構築

 HK社の歯科材料事業は、「Heraeus

Dental」の確固たるブランド力を備え、 世界5ヵ国に生産拠点を、また22ヵ国 に営業拠点を有しています。

 歯科材料市場では現在、貴金属から 樹脂などの素材へのシフトが進んでい ますが、豊富な知見と業界での高いプ レゼンス、グローバル販売ネットワー クなどを有するHK社と、ポリマー技 術を保有する当社グループが手を結ぶ ことにより、歯科材料事業における世

界市場でのプレゼンスは飛躍的に高ま ります。

 一方、DENTCA社の株式取得により CAD/CAMによる設計技術と、当社グ ループの材料開発・加工技術を組み合 わせ、入れ歯の利用者、歯科医師、技 工士に支持される高機能入れ歯を開 発する下地ができました。

 こうした取り組みは、サンメディカ ル社や、当社が出資している歯科機器 メーカー・株式会社松風のグローバル

展開にも重要なターニングポイントと なります。当社グループは、各種の材 料開発、歯科材料、入れ歯の設計とい うオーラルケアのトータルでグローバ ルなソリューションを提供できる体制 を整えました。

 高齢化は世界的な規模で進行してい ます。当社グループは、歯科材料事業 をコア事業として育成することで、健 康で安心な長寿社会を実現するための 世界的な課題に応えていきます。 特集1 健康・安心な長寿社会の実現 : ヘルスケア

 HK社と三井化学グループは、それぞれのコ ミュニケーションの方法を理解し、ビジネス の明確なゴールを目指すべく緊密な関係を構 築するよう努めてきました。そうした努力の 結果、私たちは共通の価値および目的を共有 できました。

 三井化学グループが強い力を持っている HK社 Martin Haase社長メッセージ

アジア地域における市場への浸透、あるいは R&Dにおける日本の三井化学グループの皆様 のサポートに感謝しています。

(14)

トレーニングセンターでの研修の様子

ライントレーニングでの実習風景

特集

2

「現場力」

産業基盤

える

国づくりにおける最大の課題は、産業基盤を整え るだけでなく、国の将来を担っていく人材の育成に あります。グローバル競争の時代にあっては、一日 も早く、すぐれた産業と技術基盤を創造し、それを リードする人材を育成しなければなりません。企業 もまた、グローバル競争下にある進出国の課題を 理解し、改善するための支援策を事業展開に盛り 込むことで、ともに持続的な成長を手にする好循環 を生み出すことが求められます。

三井化学グループのグローバル展開では「三井の 現場力」と称される、進出国での“ものづくりの力” の継承に力を注いできました。単にすぐれた品質を 確保するためだけでなく、独自の技術革新を生み出 す能力を育成しています。様々な考え方を持つ人た ちによる改善と実践は、多様性が強い競争力の源 泉ともなり、地域と調和した産業基盤を構築するこ とにもつながっています。

社会課題

「現場力」での貢献

 三井化学グループは、2014中期経営計画において、当社グループの貢献すべき社会課題の ひとつとして「地域と調和した産業基盤の実現」をあげています。

 当社グループは、素材を中心とした数多くの製品を製造していますが、それらの製品は、様々 な分野で加工され、形を変えながら最終製品としていろいろな分野や生活の中で使用されてい ます。そうした素材を安全に製造し、安定的に社会にご提供することは、ものづくり企業として の重要な使命と考えています。

 あわせて、ものづくりを担う人材を育て、製造、販売、研究すべての「現場力」を深耕していく ことも、産業基盤を支えていく上で重要です。

(15)

MPS 社長

東 政明

MPSのメンバー。様々な国の出身者が働いている。  シンガポール南西部の沖合にある

ジュロン島は、7つの島が埋め立てられ てできた人工島で、島全体が工業団地 になっています。32平方キロメートル の広大な島内には、世界の石油化学産 業をリードする約100社が進出し、石 油精製などの原料供給から製品開発に 至るまでの一大クラスターを形成して います。ジュロン島を基盤とする石油 化学産業は、シンガポールの工業生産 額の4割を占めています。

 三井化学グループのフェノール製造 を 担 うMitsui Phenols Singapore社 (以下:MPS)も、その一画を占めてい

ま す。 MPSは、旧Mitsui Bisphenol Singapore社(以下:MBS)と旧 Mitsui Phenol Singapore社(MPHS)が合併 して2006年に発足しました。合併後の 年間製造能力は、フェノール31万トン、 ビスフェノール23万トン、アセトン18万 トンで、当社グループのフェノール事業 の最大製造拠点になっています。  フェノールは、現代の産業用部品の 基礎となる化学製品で、ベンゼンを原 料としてつくられます。フェノールを 基礎原料としてビスフェノールAがつ くられ、ポリカーボネート樹脂やエポ キシ樹脂などになります。ポリカーボ ネート樹脂は衝撃に強く、透明性があ り、寸法安定性にもすぐれていること

から、自動車のヘッドランプのレンズ 樹脂、CD・DVD、航空機の窓などに加 工され、一方エポキシ樹脂は塗料や接 着剤の原料になります。

 言わば、“快適な生活の陰の源”なの ですが、現在、フェノールをめぐる事業 環境は決して好調ではありません。中 国での新規参入や増設により供給過剰 状態が続き、原料であるベンゼンも高 騰して収益性は悪化しています。その ため当社グループでは、日本も含めて 生産体制を見直す一方、MPSでも、地 域の有力パートナーとの連携を強化し て安価に原材料や電力を調達するなど の徹底した事業改革を進めています。

 MPS社長の東政明は、「新興国の経 済発展をバネに供給過剰の状況は改善 されると期待されますが、よりすぐれ たものづくりと、アジア地域の発展に 貢献する“地産地消”の体制を確立しな ければなりません。MPSは、その拠点 であり、MPSならば必ずできると確信 しています」と語ります。

 東社長の自信には理由があります。 MPSの製造現場には、「高い能力を備え た仕事人たち」がいるからです。MPSの 全社員170人のうち160人が工場で働 いていますが、中国系、マレー系、インド 系など多様な人種の壁を越えて、「三井

の現場力」を継承する努力が重ねられて いるからです。

 「シンガポールでは、ジョブホップと いう転職を当然視する風潮があり、そ れが高度で安定したものづくりを阻む 壁になっています。しかしMPSのキー パーソンの離職率は極めて低く、従業 員は、より新しい三井のものづくりの 力を創造しようとがんばってくれてい ます」(東社長)。

 その象徴が、現地採用エンジニアの MPS工場長への就任でした。シンガ ポールの当社グループで、現地採用ス タッフが工場長に就任する初の快挙 でした。

フェノール事業の

最大製造拠点

MPSの高い能力を

備えた仕事人

特集2 地域と調和した産業基盤の実現 : 基盤素材

Mitsui Phenols Singapore社

設 立 : 2006年1月

事業内容: フェノール、アセトンおよび ビスフェノールAの製造、販売 シンガポールのジュロン島に

あるMPSの製造プラント

(16)

メンバー間での情報共有会の様子

ライントレーニングでの研修風景 コントロール・ルームでの作業風景

 2014年1月にMPS工場長に就任した Mock Siew Faiは、大学で化学工学を 学び、1998年の卒業と同時に旧MBSに 1期生として入社。シンガポールにおけ る三井化学グループの事業展開ととも に歩んできた技術者です。

 「就職前の現場訪問で、チームメン バーが、様々な意見を持ちながらも、1 つのチームとしてまとまって仕事に取 り組んでいるのに感激しました」と入 社の動機を説明します。

 Mockが入社した頃は、MBSが第1号 プラントの建設を進めており、その後も、 第2、第3プラントなどの新設が続きまし た。新プラントの立ち上げでは、日本か ら多くの技術者が派遣され、Mockなど 現地の技術者とともに検証を重ね、同時 に技術を継承していきました。

 「プラントの新設は、実に刺激的な 学びの場でした。5S※1、Kaizen※2など

の手法も、考え方が非常にシンプルで わかりやすく、取り組み自体が非常に 面白かった。もし欧米の会社に勤めて いたら、これほど早く、多くのキャリ アを身につけられなかったでしょう」 (Mock工場長)。

 生産改革への取り組みが、単に日本 人が工場長であるからではなく、三井 化学の現場力として全従業員に浸透し、 ものづくりに結実していることを知る のに長い時間はかかりませんでした。 そして、現場力の前提にあったのが、入 社前に感激した、あのチーム力でした。  「欧米の会社では、『君のミスは君の責 任だから改善しなさい』と言う。ところ が三井化学の人たちは、『君のミスは、私 にも責任がある。君への十分な訓練が 足りなかった。一緒になって改善してみ よう』と言ってくれる。この考え方の差は 大きく、転職したものの再びMPSに戻っ た人もいます」(Mock工場長)。

 ビスフェノールAの製造係長である Martinez Mark Dennis S.は、フィリピ

ン人。母国の化学工場から13年前に旧 MBSに転じました。入社して最も驚い たのが、作業標準の完成度の高さと柔 軟な改善力だったと言います。  「フィリピンの会社では限定された 部分しか見ることができず、改善点も 明確にできませんでした。三井化学 の作業標準は、個々の作業者にプロセ ス全体についての理解を求め、その上 で個別の改善を促しています。しか も、改善提案をどんどん取り入れてく れます。改善すれば環境が変わり、結 果として作業者自身が楽になる。そ れが、多様な人種からなるシンガポー ルの工場での求心力になっています」 (Martinez製造係長)。

 化学プラントでは、毒性が強い物質も 扱います。そのために安全を確保するた めの活動は欠かせません。KY活動※3

リードするのも製造係長としての重要な 仕事になっています。

 作業開始前に道具箱のそばで行っ たことから“ツール・ボックス・ミー ティング”と呼ばれる毎朝の情報共有 会や、「ライントレーニング」が繰り返 されています。ライントレーニングで は、ベテランが新人と一緒に現場に赴 き、作業工程の流れを追いながら重要

チームとして結果を出す力

プロセス全体を理解して、

個を見る

MPS 工場長

(17)

ライントレーニングでの実習風景

高 機 能 包 装 材 エ ボ リューⓇ

使用された製品

Prime Evolue Singapore社  営業部長

山本 徹也

Prime Evolue Singapore社 営業部 副部長 Lee Tian San,Trevor

なチェックポイントを見ていきます。  「ライントレーニングでも、全体プ ロセスの把握が基礎になり、そこか ら考えていきますので、新人のトラ ブル対応力が非常に高くなります」 (Martinez製造係長)。

 MPSの工場では、自ら構築した手法

を基にしたトレーニングセンターも開 設し、他社の製造スタッフの研修を受 け入れるまでになっています。最盛期 には10人を超えた日本からの応援技術 者も、人材が育成されたことで、2014 年春からは2人になりました。  工場長のMockは、「三井の現場力を 引き継ぎ、そこに多様な文化や発想を 持つ人たちをまとめていくシンガポー ルならではの強みを加えた新たな三井 の現場力、“シンガポール・ウェイ”を 創造するのが私の役割だと考えていま す」と語ります。

 国境を超えた現場力は、新たな現場 力へと進化を始めています。

※1 5S:職場管理の基本的行動を求めるスロー ガンで、「整理・整頓・清潔・清掃・躾」のこと。 ※2 Kaizen:ボトムアップにより、作業者が自ら

考えて進める改善活動のこと。

※3 KY活動:危険(K)予知(Y)の頭文字からとっ た事故・災害などの危険予想活動のこと。

特集2 地域と調和した産業基盤の実現 : 基盤素材

三井化学の子会社であるプライムポリマー社は、2012年 10月、シンガポールにPrime Evolue Singapore社を設立 しました。そこで現在、エボリューⓇ製造プラントを建設し ています(2014年12月完工予定)。

エボリューⓇは、三井化学独自のメタロセン触媒とプロセス 技術を用いて製造されるプラスチックです。食品や洗剤な どの消費財の包装に使われる高機能包装フィルム市場では、 アジアで高いシェアを有しています。

高機能包装フィルム エボリュー

で、アジアの消費財の安全を守る

 新興国の経済発展と中間所得層 の増加により、アジアの高機能包装 フィルム市場は急速に拡大していま す。消費財メーカーの要求品質は高 く、その期待に応えているのがエボ リューⓇです。

 シンガポールで営業の指揮を執る Prime Evolue Singapore社営業部長 の山本徹也は、「年間60万トンというエ ボリューⓇの生産能力は、アジアにおけ

る高機能ポリエチレン生産能力とし てはトップクラスであり、新興国の成 長需要を獲得する基盤が整います」 と語ります。

 営業部 副部長のLee Tian San,Trevor は、日本 の 大 手 商 社でエボリューⓇ の営業を担当していた人物で、「三井 化学の独自技術によって製造される エボリューⓇは、すぐれたシール性と高 強度、低臭気、低FE(フィッシュアイ)、 高透明性、易成形性などのすぐれた特 徴を持っており、ここ一番というときは エボリューⓇを選んでいただけています。 今後は、生産コストの削減や成形の容 易性など、生産性を高めるトータルソ リューションを提供していきたい」と意 気込みを語ります。

 すぐれた製品があることで、快適な 生活への道程が短くなる。エボリューⓇ は、そうした思いをもとにアジアに届け られています。

MPS 製造係長

参照

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